さ

僕、ここでとてもいいのは、タンボーラ叩いている音がとっても

いいなと思う。タンボーラの音がいいなんてあんまりいいたく

ないんだけどね、タンゴ組曲なんてアサドよりいいよ。

素晴らしく音楽的、音程があるの、コンコンというところに

ちゃんと音程差がある。

フラメンコ・ギターでルンバを弾くときにこことここ

（表面板の指板の下と駒の近く）叩くじゃない？

あれもちゃんと音程差がある。

この人たちはかなり鋭い音を出すね。若い時はこういう音、

好きだよね。年齢と共に音の嗜好も変わってくるもんだけど、

ジョン･ウィリアムスは歳を重ねてもそういう音だね。

意外に面白いと思ったのは、現代ギターの昔の記事を読むと、

ジョン・ウィリアムスが最初に来た頃の評論とか、あんまり

いいことが書いてないんですね。

あの時代はね、評論家はけなすのが常識だったんだよ。

うっかりほめると沽券にかかわるような。

一種の精神論だな。特にテクニシャンには点が辛い。

ハイフェッツよりもシゲティを評価した方が高級であると。

なるほど、

ジョンなんてけなすには格好の相手だったんだろうね

このごろはそうでもなくなりましたね。

あんまりけなすと訴訟の怖れもあるし、実際にあったよね

ありましたねえ、某氏が某氏と某社を訴えた･･･

だから、今はもっぱらほめる。すると敵は作らないし、

次の仕事も来る･･･

ところで、我らの少し前、ギターがブームというか大学のギター部

に大挙して入ったくらいだから、その頃の楽器であまり使われて

いない状態のものがたくさん残っていると思うよ。

あると思いますよ。60年代ラミレス方式で弟子を抱えて数を作る

という方法、日本もやったじゃない、中出一門とか、河野さんとか、

沢山作って売れたんだから。

そうそう、随分出回ったはずなんだ。

その中であんまり広げなかったのは野辺さんとか数人しか

いなかったでしょう。

いましたね。

そうですね、40年前、1967年、絶対いたはずですね。

「ま」さんの野辺さんだって、

いたいた。1学年で100人入ったこともある。半分くらいは1年で

辞めちゃうんだけど、残る人も多い。

その連中がほとんど手工品買ったんだもの。

もっとあとの話、20年くらい前ですけど、値段自体がもう今の

大学生よりはるかに高いギターを使っていたんです。

今はみんなほとんど半手工の5万でしょう？

あれ、そんなもの？

それはすごいね。

われらのころ、35年前は手工品が5万円からせいぜい10万円どまり。

ほとんどの子は5万円を使っていた。カタログには上限15万円とか

その辺り。河野はほかより高くて最低6万から7万から。

7万から20万位でしょ、30万もあったかも知れない。

中出阪藏が20万とか30万が最高価格で、大学でそれ持ってた

のがいて、みんなに笑われていたの。

お金持ちの子で全然ギター弾けないのが買ったから。

それと実際に違いはヘッドに彫刻があるかないかだけ。

そういってましたね･･･、僕は荒井貿易に30万のがショーケースに

飾ってあった時に、まだラミレス：ホセ・ラミレス3世は33万だった。

70年に30万の？

彫刻の中に何か金属がはいっていたかも知れない。間違いないです、

Ｔくんと二人で「30万だぜ！」って

70年だったら、普通はね5万から10万だったよ、他の手工品は。

結構行っていたよ、大学卒だからって特別視されてないから。

普通じゃないかって。

正直云うと、我が母校は僕だけが貧乏で他の人は裕福だったかな。

さっき話した高いギター持っていたというのは、関ギ連（関東学生ギター連盟）

の中で主にS大学の学生です。各パートに星野の50万を持っていたのは、

星野、菊地ね、大体S大学でした。

そうなのか、そういえば親の所得は東大生が一番というのは、もうしばらく前から

云われているねえ。

あれはおかしいね。貧乏人の子弟が行けるのが国立大学の最大の使命だと

思うのに。もっと授業料下げてね、

親の所得を制限すべきだと思うな。

いや、陸士と海兵は授業料ただなの。だから一高なみの狭き門だよ。

今は学生の中では、東大、東京外語大あたりの子達が一番高いギター使い

ますね。この間S大の子が20万のアストリアスを買ってくれて、

そのギター合宿で3週間で踏み抜かれてしまって･･･そういうのは細かく

ケアしてあげなくてはいけないと思って、夜中に思い出してメモして

寝たりして･･･
やさしい子でね、踏み抜いた子が泣いちゃってかわいそうなんですよ、

なんていじらしい事云うから、とにかく何とかしてあげなくちゃって、

保険の事や全部教えて･･･

合宿で保険かけていたんですね、損害保険、先輩が入るようにと教えて

くれたんですって

ええ、大丈夫だったんです。あとは証明書を取って、全損のね。

アストリアスだって、その子にとっては本当に大切なものでしょう？、

御茶ノ水を全部歩いて、うちのアストリアスが一番よかったらしいんです、

アストリアス買うのに何軒も回って･･･

「うちのアストリアスが一番よかった」というところがいいなあ。

僕だって鰺のたたき作るために、何軒も魚屋回る事はあるけど。

そういう時はしないな。いくつも歩いたらあるという物でもないからね。

でも、同じ物買うとき、何軒も回ることありますよね、私は解るな、

その子の気持ち。

そりゃ、わかるさ。解るからこそ、夜中のメモなんだよ、

選ぶのに1ヶ月くらいかけてたんだから。

御茶ノ水を歩いて、決めるまでに1ヶ月。

そう、そして最後の日も1日かけた。昼下がりに来て、閉店間際に

戻ってきたんです。これ下さいって、そして3週間で潰されてしまった･･･

でも踏んだ子がかわいそうだって。

そういう時はどんな反応するんだろうなあ。踏んだっていう話は

何通りか聞いた事ある。お父さんが新聞読みながら歩いたとか、

ギターが横たわっていた、足もけがしたかも知れませんね。

室内だったら。

どうだったんだろう？　昔の話だからまず畳に座ったのを連想した。

今だったらソファに座ってもおかしくないなと思うけど。

今だったらそっちを連想するかも知れない。当時は勉強部屋だって

畳の上に机だったもの。

また、脱線日かな。

今の学生くらいでね、親がギター部にいて古い楽器があったなんて

人いない？

70年代以降だったら、あっても不思議でないですね。

まだ、親が使っていましたと云って、菊池さんとか星野さんは

ないですけど。出てきても不思議じゃないですよ。

それがね、中にはほとんど弾かれていない阪蔵があるはずなんだよね。

定演の前に買ってその後やめちゃったとか、そんな事情で。

一週間しか弾いていないとかね。

僕の代にも何人かいますよ、女の子で。菊池さんの15万と、

星野さんの20万と･･･

そういうの電話してみたら？　出さないかって。

僕の親友のコンマスやっていたのが、今井さんの15万、カビ生えてるかも

しれないな、出せって云ってるんですけど。

今井さんていうのは、はっきり各段階でダイナミックに変貌を遂げて

いるんだ。

太い、細いを繰り返している様なとこがある。最初は太くてちょっと

鈍かった、そのうちほっそりとしてすっと抜けるようになった、

なにか掴んだのだと思う。そういう音は、僕は好きだったんだけど、

やっぱり今ひとつスケールが小さい、本人はそう思っていたらしいんだ。

で、もうちょっとスケールの大きいものをと改良を繰り返し、だんだん

今のような楽器になってきたのだと思う。

酒井くんのころのコンマスだったら、僕の好きなちょっとほっそり

したタイプ･･･

そうそう、ほっそり。会う毎に云っているんですよ、早く売ろうよって。

その頃の指揮者が持っていたのが、菊池さんの20万、それこそ弦が切れた

ままで･･･二人に云ってるんですけどね、早く出そうよって。

今度NHKでね、テキストに広告出したのですけど、クラシックギターを

弾こうっていう番組。

（昨年のことです。おそくなってごめんなさい）

その先生が荘村さんで。それでね、テキストに広告出したの、

タンスの中に眠っているギターの調整承りますって。

タンスの中に眠ってたりしてたらいいけど、心ない息子あたりにじゃかじゃか

やられたりしていて、傷だらけになっていたりして。

Ｓ先生が小平ギターがたくさんあるなかで、ものすごくいいのがあって、

これは小平ではないのではないかという位、本当に手工みたいなのがあって、

それを練習用に使っていて、本当に気に入っていたらしいんですけど、

やっぱり踏まれて、怒るに怒れないって、近所の子供が勝手に（部屋に）

入ってね。この小平がねえって惜しがっていました。

これは内緒の話なんだけど、ある半手工メーカーの下請けをやっていた所から

販売店が直接買って独自のブランドで売っていたことがある。

有名なMTよりよっぽど良かった。入荷のときはラベル無しで、

ラベルは別に用意して貼る。

それが基本的に5万円だった。でね、これよりいいのが欲しいって

いう先生がいてね。

この楽器気に入ったと、これよりもうランクが上のはないかと

いうんだ。

うん、その想像をこれから云うから、この楽器に定価7万円はないか

と、注文されて困っちゃった･･･。

そこで窮余の一策、いくつかからスペシャルセレクトしてラベルに

70って書いて、

うっ！やっぱり･･･

当然いくつかあるのから選ぶ、それでラベルが同じだから

このままではまずい。
真っ白ではまずいから、これに色つけようと、

　　わぁ～～！！

これはあってもいい話なんだけど、星野さんや菊地さんが作ってきて、

別にクラスを上げたわけでもないのに、これはちょっとこれはいいん

じゃないかってところから、レベルが上がっていくのは素晴らしい事

だと思うんです。自然にこれはレベルが上がったな、と。

例えば50万を作ろうというのではなくて、これは絶対いいですよ、

みんなでディスカッションをして、ギタリストに弾いてもらったりして、

やあこれはいい、という事で価格が上がっていくという事はありますね。

菊地さんがね、何かのコンテストに出そうと思って作っていた楽器があってね、

結局出さなかったのだけれど、随分時間をかけて放置して、ぶら下げてあった。

その間充分乾燥して落ち着いたころに組み立てたから随分いいものができた。

ところが、その間に自分の設計の変更などがあって、仕上がりが予定と

違っちゃった。どう違ったって、たいした事ではなくて、19フレット

通ってしまった。それだけなんだけど、本人が見るとどうも格好が悪くて

気に入らない。だから一番安い7万円になったの。音は断然良かった。

いや違う、一番安いじゃなくてあの頃は一種類しか作っていなかった。

あの頃は何種類もないですよね、一つでしたよね。

それがさっきのような特にいいのができてきたときにクラスを分けたり

するのです。

最初はね。で、だんだんそれが度を超してくるとさ、最初から安いランク用に

この目の粗いのをスプルース買っておこうとかさ、そうなってきちゃう。

ホセ・ラミレスは1世から今までいくつもランク作っているけど、古い楽器で、

たとえばサントスの普及品材料って見たことないよ。ローズウッドは見たこと

あるけど。でもいかにも悪いローズウッドとかそういうのは見たことない。

サントスっていうのは必ず最上級で作っていたんだと思う。

アグアドやフレタ、アルカンヘルなんかもそうだよね。

ドミンゴ・エステソというのは、いくつか作っているよね。

ドミンゴの甥っていうのは、それこそ材料は、いわしからまぐろまで何でも

買ってくるというか･･･

（な　ラミレス1世を弾く）

枯れた音がするねえ。

うん、枯れてるねえ、断然枯れている。なんといってももうすぐ100年経つから。

でも不思議だな。若いころに見た50年代のベラスケスみたとき、ほんの20年前の

楽器なのに、すごく枯れた感じがしたんだ。あれは何だったんだろう。

今持っている57年のベラスケスなんかもう50年経つんだけど、

記憶の中のベラスケスよりも新しく感じる。

そうなんだよ。今80年代の楽器見てもそんなに枯れた感じはしない。

古い楽器を見慣れてきたからかなあ。

なかったね。こなれたどころが20年経った楽器自体滅多に見なかった。

やっぱりその後日本が経済大国になってから、入ってくるようになったんだろうね。

それが年齢によっての好みでね、ああいう音っていうのは若い時分好きなんだね。

で、だんだん年を取ってくると、ああいう音よりもっとシックな低音が良くなるわけ。

使わなかった。好きじゃなかった、ちょっと鈍かったね。70年代からずっと

10年以上トッカータと高音はオーガスチンの赤だった。

トッカータが消えて無くなって･･･、オーガスティンの赤もなんだか

質が変わってしまった。

黒しかなかったよ。オーガスチンといえば黒だった、なんでもラベリャは

何種類もあるそうだと聞いていた、ていうかあった。

白、赤、黄色、ゴールドね。

ハナバッハは後発でね、70年代半ばに出てきた。

銀巻きでね、どういう事情か知らないけど、ハナバッハは最高級から

売り出したみたいだ。

いや、このハナバッハは別にして、弦の値段って昔からあまり変わってないよ。

僕が中学生の頃オーガスチンが1100円だもの、当時1100円の弦を買うといったら

かなり勇気がいったよ、子供にすれば今でいえば10000円の買い物だよ。

僕が未だに覚えているのは、ヤマハに最初に通った時に月謝が1700円、

オーガスチンの弦が1100円。

80円とか60円、普通のが60円、もやしそばとかタンメンが80円、五目、チャーシュー100円、

その時代に1100円、ついでに云えば床屋が100円か200円。

今の産業とか物に対する相関価値と当時とやっぱりちょっとバランスが

変わっていますね？

床屋あたりが一番上がったんで、要するに物を売るのではなくで、技術を売る、

その技術料がうんと高くなった。逆に言えば昔の職人って安い賃金で働いていたんだね。

技術料っていうものがあんまり評価されなかったんですね。

やはり物質、見える物にしか価値がなかった、あらゆる面で。

売ってる物は高いけど、払いたくないから海賊版が横行する。

弦にもどると高音なんか張ったら切れないから、1年も2年も張りっぱなし。

そうそう、オーガスチンを買うとそうだよ。

訳のわからない300円くらいの弦もあったけどね。

僕は69年に初めてオーガスチンを買ったんだけど、それまでヤマハの弦しか

使ったことなくて、Tがある日突然オーガスチンを張ってきて、

その時「えっ！お前ギター変えたの？」って聞いた覚えがある

ああ、それ位違った。

それ位違ったし、その低音弦を更にサバレスに変えるとまたまた変わった。
断然変わった。だけど今のサバレスと違うと思うな。あの頃もっと鳴ったよ。

今のこれ、随分鈍くなった。サバレスの低音初めて張った時の喜びは今でも

忘れない。

「な」、信じられない面持ち

いや、君たちは恵まれてるから、当時の貧乏人が初めてカツ丼食べた様な

感激は今の人はなかなかないもんだよ。

「な」くんはもう最初からいろいろいいものがあった訳だから。

やっぱりヤマハの弦からいくと･･･

ああ、赤、赤、青より黒の方がずーっと鈍かったわけ。

青や赤の低音ってよく鳴るんだよ。それは72年、3年にできた。

その前の黒の低音っていうのは大して良くなかった訳。

サバレスを張った後に思い出すと。

初めて張ったときは黒の低音でも輝くばかりの･･･、

低音だったという記憶があるのだけど。

釣り糸張っているようなもんだから。人間、一番下から始めた方がその後の

喜びは大きいかも知れないね。

そうすると、昔のはナイロン･･･まあナイロンだけどもっとビニールぽかった訳？

そういう構造的違いはないよ。低音の銅線とメッキの精度と巻く時のテンション、

そういう事にノウハウがあったんじゃない？

見た目は変わらない、でも高校生の時に初めてオーガスチン買って、これはいいな、

と思って、その低音弦を鳴らなくなってくるとね、

洗ってさ･･･洗って陰干しするといいって

洗うって話、前に大ちゃんのブログで読んだ、「昔はやったそうです」、って。

「やったそうです」って･･･大ちゃんは誰かの話を聞いたんだな。

彼は経験ないだろうから。僕みたいに実際にやった経験のある者からすると･･･

あっという間に乾くし、でもね、白かった綿が黒いような、緑のようなのが

ザーッと付くよ。一旦はきれいになって復活したみたいになるのだけど、

実質的にはもう伸びてるから。

僕はね、最初洗ったんだけど、大学の1年の後半でねそれを売ることを覚えた、

フラメンコの人達はそれを買ってくれるんです。

一同

　･･･

これは商才があるなって思ったね、それをみんなに売って、もちろん10分の1位で

売るんですよ、でも10人からいるから、それを売って自分でまた新しい弦を買うの。

それを繰り返すから、弦にはお金がかからなくなる。

いや、フラメンコの奴らは切れるし、とにかく新しいのはいやだから、

10分の1で買う方が、

でもフラメンコの音って新しい低音の方がいいと思うよ。彼らは違ったの？

違う、よく来るＫなんか常に僕から買っていた。1ヶ月以上張った弦を

僕から買う。

あとね、低音弦はちよっとずらして張る。フレットの当たる位置が変わるから

少し復活する様な気がする。

それとかね、（今はなき）ミックができてからは、僕が一括仕入れに行って、

1セットは僕がもらう、手間賃として。

安かったよ、あれが安く売る店の最初じゃないかな。

それ以前の銀座のY・Yや名門某社は定価売り。

普通のお客が2割引だとすると、大学のギター部みたいに10セット、20セット

まとまるとさらに10パーセント位引いてくれた。実際は100セットというか

グロスで買うクラブが結構あった。

（弦のケースを指して）当時はこんなに種類ないんだ、だから今これだけの

種類をグロスでストックしたら大変だけど、以前は大体どこのクラブは

どの弦って決まっているから、割りに楽ではあった。

ほぼ勧めるのが何種類か。一番多いのがオーガスチン黒の高音、サバレスの低音。

そうそう、それがなにかの間違いで反対の注文が来たことがある。

ほんとにこれでいいんですかと何度も念を押したとか。

あれは評判よくなかったなあ･･･低音弦が張ったとたんに切れることがあった。

もっともギターも8000円のギターなんかだと仕上げがきれいだとは云えない、

ナットの角あたりで切れちゃうかも知れない。

スズキヴァイオリンでフェルナンデスってギター作ってました？、

僕の親父のがそうでした。フェルナンデスってあってスズキヴァイオリンって

書いてありました。

親父のは違いましたね。ちよっとネックとか細い。

クラシックよりちょっと、

スズキヴァイオリンて云うのはね、戦前、さっきの中国の話じゃないけど、

世界中のヴァイオリンを席捲した時代があるの。

どうなんだろう、スズキって日本中で一番多い名前だし。

ヴァイオリンの半機械製みたいの山ほど作ってね、練習用ヴァイオリンって

世界中に売ってさ、財閥扱いされてた。だから多分戦後にGHQ入ってきた時、

解体させられた。巨大産業と思われてた。

名古屋って結構新しい事やるところでね、ピアノも浜松の方でしょ。

あの辺で日本の楽器産業が始まったんだ。

ギターもヴァイオリンもそう。

プリマ楽器のカタログを見るとまだありますよ。昔のカタログには木曽スズキ、

名古屋スズキと書いてあったけど、今は無いな･･･

ひとつは東京のどこかに来たはずなんだ。大田区の方、大森とか蒲田の方、

それで無くなっちゃった様な気がする。ちょっと残念だね、そういう話は。

木曽スズキも作ってた。で、思うのは、ギターも順繰りに古い物を使うように

なって、新しいのはあんまり要らなくなってきてるんじゃないかな･･･

ヴァイオリンなんかそうでしょ、修理だけで食べている人、

ところが中国人の人口の内、相当部分がギター弾きだしたりすると、そういうのが

一気に無くなってしまって、そうすると製作者はまた新しい仕事がやってくるように

なるかも知れないね。

でもこういうものも全部中国に行ってしまうと思うとちょっと･･･残念。

いま既に日本に銘器が集まらなくなっているのは、外国の方が高いからです。

日本にある楽器、海外に行った方が商売になると。