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● 鈴木大介ギターエッセイ パート54(2005年1月20日号)

2005年、第一弾!このエッセイが届いたのは1月20日午前4時45分・・・またもや寝ないで慌ただしくパリに飛び立つ大介さんです。公演の成功を祈りつつ・・今年も応援よろしくお願い申し上げます。

こんにちは~!!やばいです。あと1時間半でパリに出発です。正確には成田空港に。でもって毎度のことですが今になって慌ててこれを書いています。勢いで書くのでいつもよりさらに読みづらかったらごめんなさい!

12月18日のコンサートにいらしてくださったみなさん。ほんとうに素敵な誕生日をありがとうございました。僕はステージの上からそのことだけをお伝えしたかったのですが、ずっと楽しみにしてくださっていたのにもう会えない人や、昨年1年に世界で起こったいろいろな出来事を思い巡り、歳を経て行くことの重みに気づかされて、厳粛な気持ちになってしまって、その気持ちは「ありがとう」なのか「ごめんなさい」なのか「よかった」なのか「どうして」なんだか、どんな言葉でも言い表せなかったのです。僕はギター弾きなので、そういう時はギターを弾くことしかできません。。 弾いてる間も、コンサートにいらしてくださった皆さんお一人お一人の、音楽への想いが、熱い、というか痛いくらいに伝わってきました。そのことについては、心から「ありがとうございます」です。


パリでの公演の後、いよいよ「マイ・ウェイ・オブ・ライフ」は日本にやってきます。日本の公演は、シャトレ座で行われたものの引っ越し公演なので、昨年10月に参加したベルリン国立歌劇場でのものとは、若干変化があると思っています。それを見るのが今回の楽しみでもあります。僕は「スタンザI」という曲をピットのなかから6分間弾くだけなのですが、おかげで公演のほぼ全体をリハーサルから見ることが出来ますし、そのことを皆さんにお伝えできるのも僕の役割だと思っています。ですから、これからは比較的まめにパリ・レポートを展開する予定ですので、このページを楽しみにしていてください。

2月は帰って早々、大阪シンフォニカー交響楽団と古部さんと指揮者の山下一史さんとで、猿谷さんの新しいコンチェルトを初演します。いつもかっこいい曲を書いてくださる猿谷さんですから、もう今からわくわくしています。

その後群馬交響楽団と矢崎彦太郎先生とで、アランフェス、矢崎先生とは2003年2月20日の東京オペラシティでの「夢の縁へ」以来です。2月20日は武満さんのご命日です。96年になくなられたとき、僕は武満さんにお約束した作品集のための練習の最中で、ニュース速報を見て呆然としました。97年の1月には、そのCDが発売され、98年には神奈川フィルと、今度ご一緒させていただく山下一史さんの指揮で「虹へ向かって、パルマ」、99年には、僕にほんとうの意味で独り歩きの時が来たことを教えてくれた、オペラシティでの香津美さんとのリサイタル。2002年の2月には今の自分への新しいスタートとなったソロリサイタルをカザルスホールで行い、毎年毎年、2月は背筋をただし、甘やかした自分を律する大切なきっかけを与えてくれます。

今年は、マイ・ウェイ・オブ・ライフのご報告も兼ねて、2月18日に「NHKスタジオ・パークに小室等さんと一緒に出演の予定です。小室さんが武満さんの曲を歌ってくださって、共演させていただくほか、なんと「どですかでん」を二重奏してもらえてしまうみたいです。それから、「マイ・ウェイ・オブ・ライフ」のなかで演奏される「他人の顔」のワルツを、この日のために用意したギター・ソロ・バージョンで聴いていただけます。

あっっ!ここでそろそろタイムアウトです。
最後になりましたが、みなさん、今年も鈴木大介のギターをよろしくお願いいたします。