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● 鈴木大介ギターエッセイ パート50(2004年10月4日号)

このエッセイもついに50回目の連載となりました!(パチパチパチ)
約6年間の大介さんのギタリストとしての足跡でもありますね。これを機会に第1回目から味わってみるのも良いのでは・・・、ドイツ行きを間近に控えて相変わらず大忙しというよりパニック状態の大介さんです。

いや~9月がやっと終わりました。あとで数えたらオペラも含めると5プログラム13公演でした。どれもとってもやりがいがあって楽しい演奏会でした。今までのなかでも特に思い出深い月になったのではないかと思います。

クロード・ボリングさんの公演では冒頭に僕がソロで一曲弾くことに急遽なって、松本の公演以外ではボリングさんが書いたギターのためのソナタから第2楽章「バラディナ」を弾きました。ボリングさんの音楽は洒脱でヴァイタリティーに溢れていて、お客様も大喜びでした。ボリングさんを今回日本に招聘したフルートの工藤重典さんも、いつもながらごきげんな演奏でした。彼がボリングさんとリハーサルをする時に、工藤さんの譜面台の横でみていたら、休符の度に「ここ難しいよね~」とか「ここかっこいいよね~」と解説しながら吹いてくださって、なんとまあ、気さくなお人です。僕も今度のツアーで工藤さんの音楽から、すごくたくさんのことを学んだ気がします。

ボリングさん、工藤さんと

で、その工藤さんのツアーの間に、ヴァイオリンの渡辺玲子さんとフルートの中川愛さんとのトリオの演奏会が東京と京都でありました。トリオ、というのは意外と少ないケースですが、それぞれのソロ、ギターとのデュオ、そして今回久留さんが新曲を書いてくださったトリオの曲の初演など、多彩なプログラムで、すごく楽しかったです。玲子さんも愛さんも、とてもリラックスして接することができるアーティストだったので、和みと緊張感のブレンドがパーフェクトな感じでした。東京公演の後、自腹で京都に着いてきそうになっていた関係者がいたくらいですからね(^^)。

渡辺 玲子さん、中川 愛さんと

一日ぽっかり空いた13日の日には、ジャズ・シンガーのカサンドラ・ウィルソンのサポートメンバーとして来日していたブランドン・ロスさんというギタリストを紹介していただいて、話をしました。彼が12月にリリースする予定の「コスチューム」というアルバムを聴かせてもらって、彼も僕の「夢/北の帆船」を聴いていてくれて、彼が考えている新しいインプロヴィゼイションの可能性や、武満さんのギターの音楽のハーモニーのヴォイシングの話など、かなりマニアックな話題で盛り上がって、対談を企画してくれた人たちがちょっとひいてました(・・;)。武満さんのギターの作品は、ハーモニーの中に聴かれるインターバルがすごく美しいのですけれど、そういうところをブランドンさんも日頃から意識しているみたいで、僕達はエキサイトしてたんですけどね。。。

ブランドンさんと

というわけで、まだ9月半分までしか来てないのですが、ドイツ行ってしまうのに支度がぜんぜん整ってなくて微妙にがけっぷちなので続きはまた次回です。11月のスケジュールもたいへん充実しているので、みなさん10月はお金をためておいてくださいね(??)。