● 鈴木大介ギターエッセイ パート40(2003年11月12日号)
アッという間に11月。早いですね。エッセイも早、Vol.40となりました。 |
こんちは~~。
久々の更新ですね。
夏に武満さんの「リング」で共演していただいたリュートの永田平八さんに乗せられて、リュートを注文してしまった鈴木大介です。
リュートを注文したからといって、人生をやり直したいわけではなく、かといって夜な夜な瞑想に耽りたいわけでもございません。もとより、ちゃんとしたリュートの演奏法で弾けるわけないんですけど、気分だけでも味わいたいな~みたいには前から思ってたんです。
それでこの夏に、サイトウキネンのオペラ「ファルスタッフ」でギター弾いたのですが、ギターは舞台上で歌い手さんが弾き真似をしているリュートの音なんですね。で、オペラの公演のあいた日に行われた武満コンサートのために来てくれた永田さんに「リュートの音なんですけど、そういえばリュートで弾いたらどんな風になるんですか?」っていってねだってひいてもらったら、やっぱり気品があって、泣けるんですよね。それで自分でも試しにリュート借りて弾いてみたんだけど、もうぜんぜんダメダメで、やっぱりだめか~~~としょげていたら、「鈴木くんはソプラノ・リュートがいいかもよ。」という悪魔のような誘惑を永田さんがするわけです。で、なんですか、そのソプラノ・リュートって? みたいなことで聞いたら、リュートでもすごく高い音がでる小さい楽器で、弦も少ないし、その上単弦でもいいということなのです。
ここで、「単弦」てなに? というあなたに説明しておきますと、リュートは、第一弦以外はすべて二本ずつセットで張ってあるんです。だから、7弦(7コース)だったら、1コース以外は2本ずつだから1+2*6で13本!!! こんなに弦張ってどうすんですか。だいたい6本だってままならぬのですぞ。
それがソプラノ・リュートだったら単弦でもいいっていうから大介はおお乗り気。それで、弦楽器フェアに永田さんがいて、リュート製作家の渡辺広孝さんをご紹介してくださる、というので早速行って来ました。
(写真1 写真2左から渡辺さん、永田さん)
で、このソプラノ・リュートで何をするかというと、ヴィヴァルディのコンチェルトを弾けたらいいな~~と思っているわけです。だってヴィヴァルディだったらほとんど単音だから、和音がないので調弦違ってもかなり安心です。それで弾いてみたらもう一目惚れ。すごい。ぜんぜん普通のリュートより弾きやすいです。しかも見せていただいたのは複弦のモデルだったのに弾きづらさを感じません。しかも永田さんに「あ、うまいうまい、もう弾けてるよ」とかおだてられて、その気になってしまったわけなのです。「いやー僕リュートはあくまで趣味だから」とか言いつつももうすっかりヴィヴァルディに前向き。誰か僕を止めてください。
さてところで、司会が加羽沢美濃さんと青沼アナウンサーになってリニューアルしたNHK-FM「名曲リサイタル」に古部さんと出演しました。オンエアは12月6日です。お楽しみに。
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7月17日 更新
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