エッセイトップ  前へ 次へ

 


 

● 鈴木大介ギターエッセイ パート34(2003年2月5日号)

2003年エッセイ第一弾!今年は新年早々忙しく動き回っている大介さんですが、新しいアルパムがいよいよ完成して元気一杯です。2月14日浜離宮朝日ホールでのリサイタル、チケット取扱中です。メールでお気軽にお申しつけ下さい。


 こんばんは~~。
 今年は新年4日からレコーディングで5日には神戸でガラコンサート、6日にとんぼがえりで録音の続きと、たいへんなことでした。
 18日には神奈フィルと尾高忠明先生の指揮でアランフェスをやって来ました。めちゃめちゃ盛り上がったです。尾高先生の指揮は柔らかで、鋭くて、僕のことをどんどん後押ししてくださいました。神奈川フィルハーモニーの皆さんも素晴らしい演奏で応援してくださいました。お客さんも熱心な集中力と暖かい拍手で応えてくださり、鈴木はたいへんハッピーハッピーなのでありました。

さてさて、ハッピーといえばレコーディングです。終わりました。去年の11月に急遽製作が決まって、12月から1月の初旬にかけて、キングレコードのスタジオでこつこつ作っていました。クリスマスイヴの日なんか応援に来てくれた西村君と、98年のキャスリーン・バトルのコンサート以来、イヴの夜を男二人で飲み明かしてしまいましたよ。トホホ。

そもそもこのレコーディングはこの2月5日に発売されたヒーリング界の人気ピアニスト、渡辺雄一さんのニューアルバム「Piano Bellissimo」のレコーディングに参加したことからはじまりました。レコーディングのリハーサル時になにげに弾いたボサノバを、渡辺さんがたいそう気に入ってくれて、「ぜひ僕にプロデュースさせてください」とおっしゃってくださり、彼のアルバムがでている「ベルウッドレコード」での制作が決まったのです。

渡辺雄一さんのホームページ

http://homepage3.nifty.com/piano-yuichi/

 

僕は前から、ボサノバの名曲のアレンジとかコンテンポラリーなショーロなんかを一枚のアルバムにまとめたくていろいろ企画を練っていました。ギター好きもボサノバ好きも浸れる、ブラジルだけど東京な感じの切ないアルバムを作りたかったんです。

タイトルは「Sweet Bossa-Breezin Guitar」

収録曲は

1.デザフィナード(ジョビン)

2.ブラジリアン・ムーン(渡辺雄一)

3.イパネマの娘(ジョビン)

4.アフター・ザ・レイン(渡辺雄一)

5.朝の市場(渡辺雄一)

6.ジェット機のサンバ(ジョビン)

7.ショローソ(マシャード)

8.もしも皆があなたと同じだったなら(ジョビン)

9.ショーロスNo.1(ヴィラ=ロボス)

10.オデオン(ナザレー)

11ブラジリアーナNo.13(ニャタリ)

12.オーシャン・ブリーズ (渡辺雄一)

 

2曲目4曲目5曲目12曲目はこのアルバムのためのすごく美しい渡辺さんのオリジナルで、2曲目にはサックスの須川展也さんもゲスト参加してくれました。

そして、「ブラジリアン・ムーン」の須川さん用デモ録音を引き受けてくれた相浦めぐみさんも「オーシャン・ブリーズ」で参加してくれました。左端は渡辺雄一さん。

そして一時帰国中の村治奏一君も遊びに来ました。

今までの僕のCDサウンドとはひと味違う、オール・スタジオ録音による自信作!!!3月5日発売です。
2月14日にはこのアルバムにちなんだコンサートが浜離宮朝日ホールでありますよーーー。

キャスリーン・バトル事件・・・1998年の12月のこと。12月に誕生日とクリスマスを迎えてしまう鈴木大介は(クリスマスを迎えるのは特別なことではないが)、たいした行事(=ラヴ・アフェアー)もないままに暮れゆく一年を、孤独とあきらめがないまぜになった心境で過ごしていた。誕生日の18日の日、年明けのコンサートのリハを終え、錦糸町からひとり寂しく電車に乗ろうとしていた鈴木にマネージャーHからの電話。
H「今日誕生日でしょ~。これからどうすんの~?」
大介「これから帰って飯作って食いますけど。」
H「えっっっっっっ????何にもないのぉ?誕生日でしょう?」
大介「何にもありません。・・・・いけませんか?」
H「普通なんかあるでしょう。ほんとに何にもないのぉ?」
大介「(ちょっとむかついてきて)ありません」
H「つまんない男ねぇ~。プレゼントあげようかぁ?」
大介「べつにいりませんけど、何ですか?」
H「キャスリーン・バトルのクリスマス・コンサートのチケット。2枚あるよぉ。」
大介「・・・それはHさん一緒に行ってくれるってことですか?」
H「ええええっっっ!!一緒にクリスマス過ごす人もいないのぉ~!?」
大介「(かなりむっときて)・・・・はい。」
H「まあこれから探せば誰かいるでしょ。2枚あげるから。(ガチャと電話切る音)」
大介「・・・・」
そうしてめでたく憧れのキャスリーン・バトルのチケットをゲットしたはいいものの、結局一緒に行く人もなく、友人のギタリストの西村君と、クリスマスイヴの横浜みなとみらいホールに行き、美しく心洗われるコンサートを聴いた後、カップルが溢れる街で唯一それほどでもなかった「餃子の王将」にいってやぶれかぶれの宴会となり、その勢いをかって菊名の「リンドバーグ」に繰り出したのであった。しかもおそろしいことに、着いてみると菊名の「リンドバーグ」のカウンターは男で埋まっていたのだった!(アーメン)