●　鈴木大介ギターエッセイ　パート33(2002年12月10日号）

お待たせしました。北海道シリーズ続編。12月19日午前8時05分、NHK BS2「BSクラシック倶楽部」楽しみに見ましょうね！

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寒い～～～～。
昨日は雪が降る中３時まで都内某所のスタジオでレコーディング作業。え？何のレコーディングかって？　ふふふ。

ところで寒い、といえば利尻島。いよいよ近づいてきましたよ、オンエアーが。早くも再放送の予定も決まってるらしいです。自然の厳しさとミュージシャンの切なさが伝わる（？？）５５分、ご期待下さいね。

利尻島日記パート２

２日目の朝。すごい暴風。不覚にも帽子をかぶって空港に向かおうとした鈴木はお約束どおり強風に帽子をとばされます。帽子を追っかけて走ると、そこには普段の何倍ものスピードで帽子を追いかける軽やかな私が。おお、今日はいいぞ、体も軽くて絶好調、と思ったのは気のせいで、要は強風にあおられていただけのこと。帽子を拾って車に向かおうとすると、なななななんと、向かい風に背中にしょってるギターケースが帆となって一歩も進めない。１０メートル向こうに見えるスタッフの爆笑の顔。結局車で近づいてきてもらうことに。そんな強風なので無論朝からフェリーは欠航。「だいじょぶです。飛行機は飛んでます」というスタッフの笑顔の奥には何が隠されているのか？

午前中は待合室で収録。なんかコンサートホールみたいな待合室でした。で、以下の２枚の写真、外の路面の変化にご注目。ついに、ついに雨まで降ってきた。しかも横殴りだぁーーー。

んんんー、なんか不安。この不安はどこから来るのだろう、という胸騒ぎはさておき撮影は絶好調。午後は須川さん、鈴木共にソロの収録、そして怒濤の「スペイン」へと。いやーサウンドもばっちりだぁ。外は暴風雨なんだけど。

そして収録も無事終わり、一同撤収＆大宴会、いや～めでたしめでたし。

・ ・・・・と、やすらぎの眠りについて翌朝。
さらにすごい暴風雨。鈴木は朝イチでフェリーにて帰る予定でしたが、フェリーはその日は全便欠航。
「大丈夫です。飛行機は来ます。」
ほんとうに飛行機は来るのか？という心配を胸に秘めつつも空港へ。スタッフの皆さんに見送られ、昨日収録した待合室で飛行機を待ちます。お、来た来た！　誰かが叫んでる。そうです。飛行機は強いのです。風邪や雨なんかには負けません。昨日だって、すごい暴風雨の中、２便とも美しく舞い降りて、何事もなかったように飛び立っていき・・・あれ？
その時、僕らの目にいよいよ着陸かとその勇姿を間近に見せていた飛行機は、なんと滑走路上空１００メートル（？正確にはわかりません、でも僕の目には５０メートルと言ってもいいほど飛行機は大きく見えました）でそのまままた浮上して言ってしまいました。
「ただいま、悪天候のため上空にて待機しております」
そうかそうか、いやいやゆっくりでいいよ。何事も慎重にね、と思っていたらおよそ２０分後、
「稚内航空に引き返しましたので欠航です」
なぁに～～～～！！！

「鈴木さん、大丈夫です。なんとこの後の便が一席だけとれてます。我々は今日帰るのをあきらめてここに残りますが、あなたは予定がありますからそれで帰ってください。」
よし、何が何でも帰るぞ～～～っ、とりあえず加納亭で利尻島名物利尻ラーメンでも食べて気合いを入れます（が、ピントのボケに私の動揺が・・・）。